飛んだ!ひ・こーき!@森田浩貴の思うまま


アッという間に50なっちゃった( "゚ o゚")ドーシヨ
by kokimix
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【あんた、誰?】
東京都内で歌い手(専門はミュージカル)を営んでいる50前男です。時々司会・通訳もします(^^)
11月20日金曜日中目黒楽屋でライブを行います!みなさま良くご存じのスタンダードばかりを集めたプログラムです。バイオリンも共演!美味しいお料理で評判のお店に、ぜひお越し下さい!!
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Dreamgirls

* 満を持しての登場

待ちかねたと言うか、本当はリリースせずにお蔵入りにして欲しかったと言うか…複雑な気持ちである。

歳をとったせいか、最近昔を懐かしむようになってしまったのはよくないことの様な気がするが。それでも、やはり色々な意味において、舞台版には遠く及ばないと言う印象は拭えない。

それが、どんなに豪華なキャストや衣裳やカメラワーク/カメラアングルを並べようとも、かなわないなぁと言うのが正直な感想だ。
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* 別に嫌いなわけじゃない

この映画は基本的に良く出来ている。「レント」や「コーラスライン」「ヘアー」「オペラ座の怪人」などの映画化などと比べれば、かなりいい仕上がりだと思う。

しかし、この作品自体に込められたメッセージすら少々曲げられているような気がしたのだ。

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最初舞台版を見たときは、セリフの中身が租借できないほどスピーディーな展開だった。ショービジネスの世界がそれほど移り変わりが速く、常人には付いていけるものではないという表現だったように思う。
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対して映画版は、のっけからモタモタしていて、テンポに欠けると思った。(音楽全体もなんだかテンポが悪く感じた)

確かにこの作品に始めて触れる人にしてみたら、丁寧この上ない説明ぶりだったろうが、ダニー・グローバーが演じたあまり重要ではないキャラクターがいる一方、アニカ・ノニ・ローズの役の描き方があまく、ソロ曲まで取り上げてしまう始末。おいおい…

* おまけに主役は誰?

ジェイミー・フォックスは、そりゃ実際偉いんだろう。「レイ」の時は、あまりのソックリさんぶりに「これで営業したらいいのに」とまで思ったが…この役は、もっと裏方に見える人のほうがいい。ジェイミーをカッコよく撮りたかった監督の意向は理解するが、彼は全くこのストーリーの主役ではない。ジェイミーは、まだデンゼル・ワシントンやケビン・コスナーのようなl「男前で売る役者」ではないのだから。

もちろんビヨンセもそうだ。もともと「目立たなくて、お手ごろ」と言うのがメリットのはずなのに、それ以上に最後まで存在感が薄く(まぁ、それでいいのだが)、損をした形だ。当初ホイットニー・ヒューストンを起用して撮影する話があったようだが、それに比べればマシなのかもしれない。
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* エフィー役のジェニファー・ハドソンに罪はない

なんと言っても、これがデビュー作である。いきなりアカデミー賞受賞である。これはもしろんグラミー賞の最優秀新人賞より凄いことだ。グラミーの新人賞を取った歌手がその後鳴かず飛ばずになってしまうことは衆知の事実である。彼女には定めし、多くのレコード会社からCDの録音の話や映画の話が来ていることだろう。

「アメリカン・アイドル」出身の彼女はきっと歌いたいはずだが、それを周りのブレーンたちが許すかどうかは疑問だ。

映画の収入は、音楽のそれと桁がひとつ違う。

偶然同じファーストネームの舞台版エフィー:ジェニファー・ホリディが現在レコード会社との契約待ちで、レコーディングもマトモに出来ない状態と聞く。

オリジナル・キャストですら、そんな感じなのだ。

しかし、当初キャスティングされていた「アメリカン・アイドル」の優勝者:ファンテイジアよりは、はるかにエフィーに向いていると思う…
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* それにしても、ちょっと真似しすぎ

と言うのは、映画に登場するダイアナ・ロスにまつわるあらゆる既成事実:スチル、アルバム・ジャケット、企画などのコピーだが、これは本人はどう思っているのだろう。

全てのスチルのコンセプトや、デザイン、衣裳、ライティングなどが酷似している。ビヨンセ本人はきれいなオべべを着せてもらって悪い気はしないだろうが…しかし、もともと皮肉なことに、ビヨンセの声はダイアナの特徴的な声とは比べ物にならないくらい無個性だ。これは、彼女の今までのレコーディングを聞いても明らかだ。

ダイアナの場合は、グループの他の二人より声に特徴があって、まともにハモれないという欠点を補うと言う二次的な意味合いがあった。大昔のシュープリームスの録音を聞くとそれが良く分かる。いくらトップソプラノが良く聞こえると言っても、リードボーカルより目立ってしまうのは頂けないからだ。

* エディ・マーフィーはお気の毒でした

助演男優賞にノミネートされていたが、さすがに主演男優賞のフォレスト・ウィテカーが賞を取った瞬間「あ、だめだ」と思ったと思う。保守的なことで知られるアカデミー会員は、一度に主演俳優の賞を3人の黒人俳優に与えないことを知っていたからだ。

あるいは、授賞式を途中で堆積したところを見ると、もう結果を誰かから聞いていたのかもしれない。

映画での彼のシーンは大変締まっていて、見応えがあった。Stepping to the bad sideがいじられすぎていて少し残念だが、ステージのシーンはどれも素晴らしい出来だと思う。
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* みんな歌が上手いんだけど

この薄っぺらな感じはなんだろう…深みがないと言うか、奥行きがないというか、表面的なのだ。特に「主演」の二人の歌は気になるところだ。音程もリズムも合っているのに、ある意味「正しくない」と思わせる部分があった。

それが「若さ」だと言われれば、それまでだが。

これは世界的な潮流のようで、歌の技術は上達しているのに、琴線に触れるのは「歌声」ではなく「歌そのもの」による力が大きい。そこで改めて、作曲者の偉大さを再認識するのだ。

* 誤解しないで欲しいが

別にこの映画が嫌いなわけではない。ただ、オリジナルを知っているのでどうしても点が辛くなってしまうのだ。それだけ筆者が作品を愛していることを分かって欲しい。

某サイトの知ったかぶりチンピラの書き込みに「『シカゴ』の方が映画として優れている」とか、なんだかとんちんかんでピントはずれなことが書いてあったのを読んだので、つい熱くなってしまった。

両者を比べる方がどうかしている。

もし、どちらの舞台版も見ているのだった、少し話は別なのだが…否、舞台版を見ていたら、そんなことは考えまい。

こう言う映画は、ブロードウェイで芝居を見られない田舎の人が作品に触れるために必要な処置なのだ。だから、懇切丁寧な説明が沢山付くし、なるべく万人受けするような形にしないとマズイのはわかっているつもりだ。

現在「ヘアスプレー」の映画化が進んでいると聞くし、一説には「レ・ミゼラブル」も映画化の話があると聞く。

でも、必要あるの?そんなにハリウッド映画のプロットって、そんなにネタ切れ?
ホラー映画やアニメは日本に、アクションは香港や韓国に題材を求めているのが現状のハリウッドに、あまり多くを期待するのが間違っているのかもしれない。

「美女と野獣」でアカデミー賞最優秀作品賞を争った昔が懐かしい…

…あれ、また懐かしがっちゃった!

♪KOKI

by kokimix | 2007-03-13 23:58 | 映画