飛んだ!ひ・こーき!@森田浩貴の思うまま


アッという間に50なっちゃった( "゚ o゚")ドーシヨ
by kokimix
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【あんた、誰?】
東京都内で歌い手(専門はミュージカル)を営んでいる50前男です。時々司会・通訳もします(^^)
11月20日金曜日中目黒楽屋でライブを行います!みなさま良くご存じのスタンダードばかりを集めたプログラムです。バイオリンも共演!美味しいお料理で評判のお店に、ぜひお越し下さい!!
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Dreamgirls映画版、キャスト一部決定!

この作品に出会って、僕の音楽観は変わりました。
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ストーリーは一応<ダイアナ・ロス&シュープリームスをモデルとした女性コーラスグループが辿る栄光と挫折の物語>ですが、本当はシュープリームスの話とはあまり関係なく、歌は上手いけどデブで醜い女の子がグループから首になるけど、やがて歌手として世間で認められ、大成すると言うサクセスストーリー的な話になりました。

一幕のラストで歌われるAnd I am telling you I'm not goingはシングカットもされ、大ヒットした曲です。これをたまぁーにステージで歌う機会がありますが、なかなか弾いてくれるピアニストが見つかりません。はっきり言ってとても難しいそうです。オリジナルキャストのジェニファー・ホリディが舞台で歌っているのをVTRで見ましたが、どうしても指揮者と呼吸が合いません。それくらい難しい曲なのでしょう。ですがこの曲を歌うとき、森田の心は震えます。

2幕の中盤で、主人公のエフィーが劇中でソロデビュー曲として歌うI am changingも名曲です。デビュー当時のホイットニー・ヒューストンが、まだ持ち歌が少ない頃にこの曲を歌っていたみたいです。どちらもスケールの大きな大曲で、歌い手の技量が問われます。

昔横浜はマイカル本牧にあった<アポロシアター>(NYのハーレムにある劇場で、パフォーマーに厳しいことで有名)のアマチュア・ナイト(素人参加の喉自慢)に出場したことがありました。そこで無謀にも、この曲And I am telling you...を歌い、一応かなりの拍手をもらって、BOOをされずに審査を通過したのですが、優勝は出来ませんでした。ん~懐かしい…

2006年に映画化されるという話で、どうなっちゃうんだろうと不安も過りましたが、グループのリーダーになるディーナ役にビヨンセ(客を呼ばなきゃね)、そのグループの敏腕マネージャー、カーティスにアカデミー賞主演男優賞受賞のジェイミー・フォックス、主人公エフィーの弟
CCに人気歌手アッシャーという布陣で(今の所エフィー役の発表はまだないみたい)発表がありました。なんだかお金はかかっているみたいです。エディ・マーフィーの名前も挙がっているみたいだけど…

アメリカは広いから、もしかしたら探せばすぐジェニファーのようなスーパーな歌手が、見つかるのかもしれないけど、出来ればいろいろ<大事に>して欲しいと言うのが正直な所です。
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♪こーき

by kokimix | 2005-06-30 23:07 | ミュージカル

蜘蛛女って??

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「蜘蛛女っていったい誰のことを指してるんだろう?」最初映画版{ウィリアム・ハート(アカデミー賞受賞)ラウル・ジュリア、ソニア・ブラガ}を観た時にそう思いました。

蜘蛛女はモリーナのイメージの中にしかおらず、実在しないので現実の登場人物の中に、他にそれに相当するキャラクターを探そうとしたのですが、見つかりません。かなり観念的な問題です。

マルタ?(ヴァレンティンの恋人)…違いますね。恋人だと思っていたのはヴァレンティンだけなのですから。彼女もまた、幻想の中に生きている。ちなみに、モリーナが一幕後半で歌うShe's a womanのsheとはマルタを指しています。最初はオーロラのことなのかと思っていたのですが、演出家からマルタのことだと解説がありました。

まさかモリーナのママ?…それも考えにくいですね。モリーナの性格だったら、<ママのために>生きようとするから。

…ってことは?刑務所長?まさかそんな短絡的なことはないでしょう。

一緒に映画を見ていたカナダ人の友人が「官房でヴァレンティンにキスしたときが、死へのキスなんだよね。ってことは、ヴァレンティンが蜘蛛女の役割なんじゃないかなぁ。」へ??新解釈…

なるほど確かに、ヴァレンティンにキスしたことによって、モリーナはママを捨ててまで任務に向かったわけだから…一応筋は通ってる。

言わば、二人がキスしてしまったこと(ヴァレンティンは最初積極的にモリーナにキスしなかったが)によって、双方に死への可能性が生まれてしまったと言うことでしょうか。う~ん。

いずれにしても、モリーナの中でヴァレンティンが優先順位のトップに来てしまったわけで、それは現実のものであってオーロラのような幻想ではない。この作品のクールでシニカルな所が、ブロードウェイらしくなくて好きなのです。





♪こーき

by kokimix | 2005-06-30 11:02 | ミュージカル

蜘蛛女とトートの違い

この二人(?)を比べてどうするって感じもありますが、僕が思うに…

トート(「エリザベート」に登場する死神、基本的に男でも女でもない)は、いつも標的(死にそうな人間)を求めて彷徨っていた筈なのに、なぜかふとめぐり会った運命の人:エリザベートに恋をして、彼女の運命を見守りながら、やがて結ばれる…って書くと、すっごくロマンチックでヤな感じ。

対する蜘蛛女は、キスをした相手の誰もが死に追いやられると言う正に死神そのもの。基本的に感情はない。あるとすれば、相手を取り込んで、死に誘う欲望だけ。

だから、エリザベートのトートは演じる役者によって、ものすごく解釈が違う。僕は個人的に宝塚のバージョンの方が好きです。(東宝ファンのかた、ごめんなさい)
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それは、ルドルフとのシーンに一番顕著に現れるとおもうのですが、ルドルフが自殺を図る時、トートは彼を誘います。誘うと言うのは勿論<死>に誘うと言うことなんですけれど、それは同時に男でも女でもない<死>が、自分の欲求を満たさんがために(誰かが死なないと存在価値がなくなるから)、誰でもいいから無差別に死に誘うというのが僕の解釈です。どちらかと言うと、トートの欲求は性欲に近い。あるいは食欲かな。この欲求の出方(例えばトートが歌の最後にルドルフに口付ける所とか)が、男のト-トだと生々しくなってしまうような気がするのです。ここは少女マンガの世界の、言ってみたら竹宮恵子の漫画のような…古い?

蜘蛛女はもっとクールで、自分の感情よりものごとの都合が優先するように見えます。どちらかと言うと、もっとサディスティックでグロテスク。狙った相手が苦しんで苦しんで、死ぬその瞬間まで待って、それでやっとキスをする感覚と言ったらいいでしょうか。

両者の違いは、死を猶予するシーンにおいても違います。エリザベートは、お互いに死と言う結果を必要としているのに、エリザベートのわがままやトートのわがままで死が猶予されてしまう。でも蜘蛛女は、台本どおり読むと「死なせずに、生かせて(太らせて)楽しむ」といった残酷さが見て取れます。トートの方が情緒的なんですかね。

あくまでもこれは森田の解釈で、他の解釈をお持ちの方はどうぞお知らせください。



♪こーき

by kokimix | 2005-06-28 21:46 | ミュージカル

蜘蛛女のキスのセット

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今考えると、皆良くやってたなぁと思うくらいのセットでした。

基本的には、舞台センターで前と奥に動くモリーナとヴァレンティンが暮らす監房があり、袖から3列の鉄格子とそれとは別個に動くことの出来る黒幕(それに隠れて登場人物が出入りできる)、一番舞台の客席側に重さ何トンかある巨大な鉄格子の緞帳、それを覆い隠す本黒幕(これが実際は緞帳になります)という、書くとほんの少しのような気がしますが、全部にそれぞれ薄いスクリーンが張ってあって、映像を投影できる仕掛けになっています。

全ての鉄格子は本物の金属で出来ていて、大変重く、簡単にはバラしたり組み立てたりできない代物でした。(そのために予定されていた地方公演を断念したと聞いています)一番奥の鉄格子を全部閉めて、その後ろでワイヤーに吊られた蜘蛛女がモリーナの幻想に登場すると言うシーンでは、麻実れいさんが体にぴったりした蜘蛛女スーツを着て、熱演なさっていました。

他にも、アンサンブルのうちの何人かがJAC(千葉真一さんの事務所で、スタント・アクションなどが得意ア人が多いことで有名。真田広之、堤真一、伊原剛史などを輩出)だったので、ダンスといい、スタントといい、身体をはったアクションが見物でした。

あるアンサンブルの役者が、一番手前の鉄格子の裏を脱獄するために登り、最後に当局に撃ち殺されると言うシーンで、本当は鉄格子にあらかじめ用意してあるワイヤーを手首の所に付け、撃たれた後、あたかも鉄格子にぶら下げられたような効果を狙うシーンがありました。必ずブロードウェイでは、ワイヤーを付けることが条件だったのです(と言うのも、暗転になった後、その役者はビルの3階くらいの高さのところから降りてこなくてはならないので)。そころが、その僕らの仲間は「こんなの大した高さじゃありませんよ。これぐらいだった何度も飛び降りたことあるし。」とは言っても、真っ暗な中、下に何のクッションもないまま飛んでもらうわけにも行かず、彼は渋々ワイヤーをつけることになったのでした。

全ての鉄格子と黒幕はコンピューターで制御されていました。(これも地方公演にいけなかった理由のひとつです)そのためのオペレーターも外国人の方がいらして担当していました。ある時、舞台稽古の最中に、僕が舞台上でボーッとしていると、後ろから「ドンッ」と僕の背中を押す人がいます。「なんなのぉ?」と後ろを振り向くと、自動で動く黒幕が<そこをどけとばかりに>僕の背中を押していたのでした。

もしかして…これって、H.M.さんがミス・サイゴンで被った事故と同じ?そう思うと、背筋が寒くなる思いで、一層身辺に気をつけようと心に誓いました。





♪こーき

by kokimix | 2005-06-27 21:59 | ミュージカル

岩谷時子先生

どなたかがレ・ミゼラブルの一節”Drink with me to days gone by”を「過ぎた日に乾杯」と訳したのを聞いて、天才と思ったと仰っていました。本当にこの訳詞を担当した岩谷時子先生は、ただのおばあちゃんではないのです。

過去には、勿論越路吹雪さんの名プロデューサー/作詞家として評価されていますが、他にも加山雄三さんのヒット曲の作詞を手がけるなど、意外な歴史もお持ちです。

僕はレ・ミゼラブル、スクルージ、蜘蛛女のキスの3作品でご一緒させていただきました。中でも蜘蛛女のキスでは大変思い出深いことがありました。稽古が始まる前から、僕の師匠の事務所に師匠北川潤氏、垣ヶ原美枝氏、そして岩谷先生の三人が集まり、日本語詞の最終チェックをしているのを目撃する機会がありました。
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そこで、先生が出してきた蜘蛛女のナンバー「とばりは震え、暖炉の火はシュッ」と言う部分で、一同うなってしまいました。「シュッ」と言うのは擬音として残したのですが、(この歌には沢山Sという音で恐怖をあおる効果がありました)なんと言っても、「とばりは震え」です。「とばり」は日本語のカーテンに当たる言葉ですが、その「とばり」を「夜のとばり」と引っ掛けて「震え」させちゃうあたりは、本当に詩人だと思います。(原詞:And the curtains will shake and the fire will hiss)

僕のソロパート:ガブリエルの手紙の最後で、ガブリエルが手紙を締めくくる言葉としてYour friend, Gabrielと歌って終わるのですが、これをどうしようか結構来日演出サイドと日本側スタッフとでもめました。勿論演出側スタッフは英語でやったらいいと言うし、日本側は「急にそこだけ英語になるのはどうも…」と言うことで、最初「とも、ガブリエル」とするということになりました。

ですが、歌ってみると…なんだか「とも」は「ほも」ととられかねないなぁというのが正直な第一印象でした。。それは日本語のアクセントの問題なのですが、トモ(友)はトが高くて、モが低いのに対し、メロディーは同じ音程が2拍続きます。(すなわち平板アクセント)ホモも一般にはホが高くてモが低いアクセントなのですが、作品のテーマがテーマなもので、もし聴いている人にそういう風にとられると、ガブリエルに「その気が有ったこと」になりはしないかと心配したのです。それではストーリーが変わってしまいます。

何日が過ぎた後に、岩谷先生が少女のような瞳をして、美枝さんと一緒に僕に「おいでおいで」をしています。「なんですか?」と行って見ると、「良いのを見つけたワ」とホクホク顔。

答えは「では」でした。なるほど!直訳でもなく、外れすぎてもいない、たった二文字なのに…う~ん、やっぱり詩人だぁ、と時間させられる出来事でした。




♪こーき

by kokimix | 2005-06-25 11:39 | ミュージカル

たあこさんとの思い出

僕はあまり共演者に対して、<ファン意識>のようなものを持たないのですが、この方は特別です。自分でプログラムを持参し、恐る恐る「サイン頂いてもよろしいでしょうか?…自分用です」と言ったら、快く応じて頂き、コメントに「素敵な声」と書いて頂きました。ありがとうございます!!

1970年宝塚歌劇団に入団。大型新人として注目され、1975年「ベルサイユのばら」のアンドレ役に抜擢される。1980年、雪組のトップスターとなり、一時代を築く。
その男役像はそれまでのタイプの枠を超えた、麻実れいだけのものであり、彼女の退団以降も、麻実れいのような男役は出現していない。これからも現れることはないだろう。(公式後援会HPより)

歌劇団在団中の麻実さん(以後たあこさん)を観た時(VTRでしたが)、あまりのカッコよさに口アングリ。その時は「ショーボート」のMake believeを歌っておいででした。元々はおもっきりマンボの曲なのですが、それをバラードに編曲してあって、たあこさんの個性にぴったりの大人っぽい仕上がりになっていたのが印象的でした。

それ以降は「ゴールド家の黄昏」しか見ておらず(「双頭の鷲」「エンジェルス・オブ・アメリカ」見逃したぁ)少し疎遠になっていました。たまたまうちの師匠(北川潤師)が音楽を担当することにもなったので、ようやく「蜘蛛女のキス」でご一緒することが出来ました。

やはり宝塚出身の大浦みずきさんと振付助手の室町あかねさんがご一緒だったので、稽古場ではいつもそのお三方で仲良くしてらしたから、気の弱い森田はそのお姉さま軍団に割り込めず、なかなかお話をする機会に恵まれませんでした。直接の絡みも少なく(僕はモリーナとのからみが多かったので)、なんとなく舞台稽古までまともにお話しすることもなく過ぎてしまいました。

いざ舞台に入ってみると、意外と多くのタイミングで接する機会を得ました。始まる前は、すてきなピーチオレンジのガウンを身に纏った姿で袖に現れ(オーロラの歌声で舞台の幕は開きます)、ひとしきりナンバーAuroraを歌い終わった後、僕の役目はオーロラが牢屋のセットのドアを抜けて後、すばやくその鉄格子のドアを閉めるという係。(一瞬の出来事なので、全く見ている人には気づかれませんでしたが)その時、勿論たあこさんが安全に牢屋から抜けたのを確認して、ドアを閉めないと危険です。

その後はWhere you areのシーン。僕はただ後ろでヘタクソな踊りを踊っているだけなのですが、踊りが始まる前に最初に出てくるダンサー達に帽子を渡すという段取りがあります。袖から舞台上にソフト帽を回転させながら投げ入れるというもので、勿論カウントにあわせなければならないので、緊張しましたが、その前に踊り歌っているたあこさんとほんの一瞬目が合う瞬間が訪れるのです。うふふ。ちょうどその部分の振りがそうなっていただけのことなのですが、嬉しかった。

その後、スカーレットのドレスに身を包んだオーロラと2幕が開く前にお話させて頂いたり、一番最後のタンゴの出番待ちのとき、たあこさんとなつめさん(大浦さん)と3人でおしゃべりしたりするのが、森田のひそかな楽しみでした。

それ以来ご一緒する機会はありませんが、ギリシャの野外円形劇場での勇姿など拝見するに付け、あの頃の思い出に浸るこの頃です。

今回の記事に関しては、http://homepage2.nifty.com/asami-osc/
麻実れい後援会HPのご協力を頂きました。ありがとうございます。
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♪こーき

by kokimix | 2005-06-24 10:35 | ミュージカル

宮本亜門さんに言われたこと

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合計で2本、ご一緒する機会を得ました。一本は先立ての「香港ラプソディー」、もう一本は大地真央さん主演の「サウンド・オブ・ミュージック」です。

先立ての記事の通り、「香港」での初日はハプニングの連続で、緊張感を楽しむ余裕もないまま過ぎてしまった感がありました。

稽古中から亜門さんの演出の仕方は独特で、今にして思うと大変先駆的な方法を採られていたと思います。僕が天安門のシーンで上手く気持ちが作れないでいると、歌っている最中にそばに来て「今左上の遠くのあたりで炎が燃えてるよ、段々軍隊がこちに迫ってきてるよ、どうしたらいい?どんな気持ち?」と絶え間なく語りかけてくれたのです。大抵の演出家は、役者に一通りやらせて、それを見た後それについてのコメントなりダメなりをするのが普通と思っていた僕にとっては、とても新鮮に感じました。まるで、モデルとカメラマンの関係のような…

そんな亜門さんが、件の「トラップドアが開かず、上手く退場出来なかった」後に、僕に言った言葉が「あのタイミングは最悪だったねェ~それにしてもさ、森田って<女優>なんだもんな~」でした。?…女優??

この真意は、後で聞かされたのですが、僕がその事故直後に緊張のあまり、スタッフに聞こえる程度の声で文句(上手く退場できなかったのはドアが開かなかったせいだということ)を言っていたのを、どこからか聞きつけたからだという話でした。確かに、お偉い<女優>さんは、周りにグダグダ言うイメージあるしね。

あら~やっちゃった。それ以来僕は、なるべくスタッフの方とは仲良くするように努めています。なんと言っても、スタッフあってのキャストですから。(ヨイショっと)でも本当に、その頃の僕はソロをちょっともらって浮かれていたので、ちょうどいいお灸でした。

最近「太平洋序曲」がトニー賞ベスト・リバイバル賞を逃したという話を聞きました。(受賞は「ラ・カージュ・オ・フォール」)なんだかんだ言っても、まだまだブロードウェイは東洋人に厳しい、保守的なところなので(まだハリウッドの方が寛容)仕方がないですね。亜門さんだったら、またすぐチャンスがあると思います。
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♪こーき

by kokimix | 2005-06-23 10:43 | ミュージカル

ありえない事故

品川の天王洲にあるアートスフィアという劇場は、とてもいいサイズ(777席)で、天井が高いので音響もよく、使い勝手のいい劇場なのですが、いろいろ短所もありまして…まず、交通の便がさほどよろしくない。今は東京臨海高速鉄道りんかい線というのが通っていますが、その頃はモノレールしかなく、品川からも20分近く歩かなくてはならない為(もちろん今の品川駅のように開発される前でした)、思いがけず<モノレールの定期>を買う羽目になりました。
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また、これは劇場のせいではないのですが、「香港ラプソディー」のセットは少しだけレ・ミゼラブルのセットに似ていて、上下両側から手動で大きな3階建てのワゴンが出入りし、上には完全に格納可能なエレベーター、舞台奥からは戦車が出てくるという大掛かりなものでした。

開演前に完全暗転(非常灯も消す)になるため、遅れてきた方は最初のシーンが終わってから席に付くことが出来るようになるという段取りで初日を迎えました。

僕達天安門の前で座り込みをしている学生の役者たちは、舞台上にテントを張り、戦車/軍隊が攻めてきたら、撃たれて退場することになっていました。僕はその時パートナーだったD.K.嬢と二人で撃たれて、その後舞台上のトラップドア(舞台の一部が下方に開いて、降りられる)から、奈落に退場するという段取りでした。トラップドアのしたには怪我をしないようniマットが敷いてあって、ドアは袖にいるスタッフがころあいを見計らって(舞台上のスペースが確保されて、暗くなったら明かりによる合図がある)開けてくれるという万全の体制でした。

さて初日、稽古指摘通りD.K.嬢と僕は軍隊に撃たれて絶命、その場に倒れていたのですが、なぜか下のトラップドアが開きません。「あれ?どうしよう…もうすぐ音楽のキューが来ちゃうのに…」僕達が退場しないと上下の大きなセットが出てこられません。困った僕達は、互いに小声で「そろそろ?今?」とか言いながらタイミングを見計らい、暗くなったと思った瞬間に「行こう!」と退場しました。…これが、ケチの付け始めです。

その後、数年後の香港のシーンになります。シーン転換のために紗幕が降りて来ます。紗幕が下りてくるのと同時に上下のセットも舞台上に出てきます。僕達も急いで着替えてそのシーンには出ていました。僕は奈落から別の衣装で登場し、下手のワゴンを3階まで上がって、上手のワゴンに乗り移るという約束なっていました。

<あれ?紗幕が上がってない…>紗幕が上がらないと、ワゴンが両側に開けないので、その後必要なエレベーターが降りて来られません。でも、音楽は待ってくれないので、皆どんどん先へ進んでいくしかありません。歩きながら注意深く見ると、どうやら紗幕の一部がワゴンに引っかかっているようです。

…待ってください。そのエレベーターには、開演前からB.I.さんがスタンバイしていて、そのエレベーターから降りてくるというすばらしい趣向が用意されていたのです。でも、音楽どおり彼のフレーズが来て、彼は仕方がないのでエレベーター内(まだ舞台に現れていない)で歌っていました。声はすれども姿は見えず…

スタッフの怒号が聞こえます。あ、無理やり紗幕を上げたため、セットに引っかかって破れてしまいました。さすがに何もかも音楽からズレてしまった時に、皆の注目が指揮者に集まりました。やがて、音楽が止まりました。

そのうち、演出の宮本亜門さんが舞台上に上がって、これまでの不手際を詫びた後、「もう一度最初から演じ直し」ということで、なんとか事態を収拾しました。

後でこの原因を突き止めたのですが、なんと劇場の気密性があまりに良く、最初のシーンが終わった後に遅れた方達を入れるために劇場のドアを一斉に開けたら、風が吹いてしまった言うのです。そして、その風に紗幕が煽られて、わごんに引っかかってしまったというのが真相だったようです。

後にも先にも、あんなことは初めての経験でした。生だからいろいろあります。




♪こーき

by kokimix | 2005-06-22 17:22 | ミュージカル

香港ラプソディー

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この作品にもいろいろ思い出があります。
この作品のなにが魅力だったかというと、やはりステキな音楽です。作曲のディック・リー氏はシンガポール生まれの音楽家で、僕は2回ぐらいしか会う機会がなかったのですが、その少ない話すチャンス(彼は英語で話します)で受けた印象は「優しそうな中国人のお兄さん」といった所でした。
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僕が特に好きだったのは、「チャイナ・レイン」「遥かな河を越えて」、あと題名が思い出せないのですが主人公の一人小龍が歌った歌、風水のテーマ(これには参加していました)などです。どれも聴き易く覚えやすいメロディーばかりでした。

僕は天安門事件の革命団の指導者<李良>役を頂きました。ものすごく大きなスケールの曲で、ちょっとビビり気味でしたが、あの「あれをみろ~」という最初のフレーズを思い出す度にあのドキドキ感が脳裏に蘇ってきます。なにしろ幕開きの第一声だったので、大変緊張したのです。

大変仲の良いカンパニーで、よく主役お一人のI.T.さんの経営するお好み焼き屋さん(三軒茶屋)に皆で集ってワイワイしたものです。http://www.bochi-bochi.net/

あるサイトで「この作品を再演させよう」運動をして下さっているようです。これからそちらにメールを送って、連絡を取ろうと思っています。http://www.misoppa.com/hello.html




♪こーき

by kokimix | 2005-06-21 22:30 | ミュージカル

ハロルド・プリンス氏

二日だけ舞台稽古/プレビューに現れました。

最初会ったときの感想としては…脂ぎった、背の小さいオヤジって感じで(失礼)、でもこの人70歳越えてるんだよね~みたいな、エネルギッシュな方でした。

いらしたときに、皆もうさすがに疲れ果てていたので(日本の商業演劇では考えられない舞台稽古を劇場で1週間行うというスケジュール)、カンパニー内もピリピリしていました。そこへ演出家のご登場となったわけで、よいカンフル剤になりました。

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一幕最後のGimme loveで、オーロラ(主役の映画女優)が入る大きな鳥籠が出てくるのですが、その鳥籠がとりわけ危険で、一日それ用の稽古を劇場の横のスタジオでやるなど、かなりお金のかかった段取りでした。一歩間違えると大怪我に繋がるようなシーンだったのです。
(って、僕は袖の中で歌ってただけですけど)

そんなでしたから、皆いろいろな面で少し不満がたまっていました。ところが、プリンス氏が来て、その不満の一つひとつに丁寧に答えをくれたのです。特に厳しい時間を過ごしたのでは、と思う人が芝居の中の<体制側>の役者さんにいて(演出サイドから、数限りないダメ出しを受けていたので)、楽屋に帰ってくると椅子を蹴飛ばしたりしていました。この役は、舞台の最後の方まで歌が全く無いのですが、最後にとても難しい歌(7拍子)が出てきます。でも、それだけではなくて、その役者さんは、その役を表現する上でのいろいろな面で悩んでいたのです。(居住まい、仕草等々)そこへプリンス氏が「これはあなたの役です。あなたの思うようにやってください。」という意味のことを言いました。彼はとてもすっきりして(付け加えると、プリンス氏にとてもいい日本語の通訳係が付きました)それから、本番に自信を持って臨めたようです。

いろいろな演出家がいますが、海の向こうから来る演出家の方々は、ほとんど皆ちゃんと役者の言うことを聴いてくれます。日本の演出家が悪いとは言いませんが、昔の演出家には特に権威主義みたいなものがあって、「オレ/あたしがこう言うんだから、やって」という感じにどうしてもなりがちです。役者は勿論演出家を<信じ>なければいけないのですが、生理的に出来ないことなどはよくあることです。(台本次第ですが)最近、日本の演劇界も随分民主的になってきて、言いたいことが言える世の中になって来たかなぁというのが、率直な感想です。



♪こーき

by kokimix | 2005-06-21 09:24 | ミュージカル