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【あんた、誰?】
東京都内で歌い手(専門はミュージカル)を営んでいる50前男です。時々司会・通訳もします(^^)
11月20日金曜日中目黒楽屋でライブを行います!みなさま良くご存じのスタンダードばかりを集めたプログラムです。バイオリンも共演!美味しいお料理で評判のお店に、ぜひお越し下さい!! ブログパーツ
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公演を観たのは結構前(7月)だけど、今回自分のワークショップで佳曲"Defying Grqavity"を取り上げるので、それに寄せて観劇後の僕の感想を書きたい。
劇場(劇場「海」)には初めて入ったが、作品のカラーもあってかまるでテーマパークの様だった。それはそれで商売上手なところは、さすが大手。 コンセプトカラーがピンクだったようで(準主役のテーマカラー)、なんだかちょっとサンリオ?的なところはあったが。ま、これでダークグリーンだったら、ホーンテッド・マンションみたいになってしまうしな。 客入りはほぼ満席だった。ま、まだチケットを取るのに一般の人は苦労しているみたいだから、分からないでもない。 セットは、恐らくブロードウェイなどの仕様とほぼ同じと推測する。ただ、プロセニ上部の大きなドラゴンが心なしかチャチで、何だか落ちてきそうに感じられ、あれがガタガタ動き出したときに「そういう意味で」怖かった。 カタカタ音もしてたし…プラスチックみたいな音だったんだよ… アンサンブルは頑張ってる。衣装換えも多く、出入りも激しい(振りはそれほど難しくはないと見た)。お疲れ様です。 しかし、肝心の「良い魔女」がのっけからなんともおぼつかない。高音はちゃんと当たっているのだが、音響のミックスの悪さも相まって、やや聞き苦しい。 また、あの劇団お得意の「省エネ唱法」がとても鼻に…いや耳に障る。 それと、どうしても日本人には似合わない「プラチナブロンドのかつら」がうっとおしい(もちろん、これも大元の制作からの契約事項に入っているはず)。 メイクも何だか女芸人みたいで、思わず「ピンクの電話」の声の甲高い方を思い出した。台詞回しもそうなので(ま、これは演出上仕方ないか)余計にそう感じる。 また、この回にその良い魔女を演じた女優が、裏で「ダサイタマ〇」と呼ばれていることを知り、密かに後で爆笑。 また、良い魔女の大きな見せ場のひとつである「ポピュラー」のラストノートで、根性が微塵も見られなかったことに独り憤慨。 ただのCだろーが!曲を締めくくるのに、その音圧の低い声はなんだ!金返せと言いたくもなる。 たしかに、良い魔女の方が、主役の悪い魔女よりずっと難役なのは確かだ。広い音域も必要だし、表裏のある完璧な2面性が見せられないと全体の締まりが悪くなる。 だが、どうしてもドラマの主軸が悪い魔女の方に傾いてしまうので、人選が難しいのは良く分かる、が…それにしても。 それと、とても痛切に感じたのは「ミックス・ミドルが出せること≠ベルティング(二つのレジスター/チェストとミドルのスムーズな行き来)ができる」ということだ。この良い魔女を演じていた女優は、ミドルボイスはまぁ使えるが、決してベルティングが出来るとは言えないと思う。 例えば個人名を挙げると、鈴木ほのかや岩崎宏美などは歌唱中のベルティングが成立している。二つのレジスターの移行が滑らかなのだ。絶頂期のヒロリンは、明らかにお互いの響きが違っても、変わったことを気にさせない技術があると思う。 もちろん、人/メロディによって得意不得意はあるのだろうが、件の良い魔女はあまり上手ではないというのが、僕の意見だ。 さて、翻って悪い魔女の方だが、彼女は百戦練磨の人物なので、芝居もこの劇団にしてはナチュラル風(あくまで「風」:ちょっと「ニッセイ名作」っぽいが)だし、チェストも躊躇なしにスコーンと出す。これが主役の心意気だろう。少し「ムチャな力技」が気にはなるが、あの調子で毎週10ステージ以上やるのかと思うと、やはり鉄人か。 もっと大きな問題は、その二人の相手役男優だった。 確かに、ちょっといい男だし、声も透明感があるような…気がする。 …しかし、なんでこんなに訛ってるの? どこ出身? 東北? 九州? で、休憩中にキャスト表を見て「あ、なるほど~」日本人じゃないのか。 劇団で今流行の「民族大移動」というか、「下請け」というか…「猫たち」みたいにセリフが極端に少ない芝居だと、それほどキツクないかもしれないが、やはりネイティブの日本人にあのアクセント・訛りはちょっと厳しい。「声が出りゃいいのか」って感じで。 そりゃ、マルシアも厳しいよ、歌はいいけど。彼女をストレートプレイで使おうって言うカンパニーは、ナベプロ以外ではないだろうしね。 でも、安くて良く働くから、外国人を使うってことなんだろうか…ねぇ。 元ジャニーズの大魔王さまも、元気にはしゃいでいたけれど、何がイヤだったって、中途半端に英語を歌詞の中に入れ込むことが気に入らない(これが役者のせいなのかどうなのかは藪の中)。 大御所なので、そういうのを口先で上手く処理する技術はお持ちのはずなのだが、なんか腑に落ちないねー。 特に「わ~んだふる」の「ふる」で、ちょっと鳥肌…キモ! それと、これは男優が日本人かどうかは全く関係ないことだと思うが、全然悪い魔女と王子様の間に全然情熱と言うか、愛情が感じられなかったことだ。 ホントは、裏で仲が悪いんじゃないの?って思うくらい、冷たいAs long as you're mineだった。ただ、一所懸命高い音域の歌を歌うだけに終始した感は否めない。 また、客席から笑いが来ても良さそうな場面で、ちゃんと笑いが来ないと気持が悪いものだ。 一番それを感じたのは、最後近くで、舞台床が開いて悪い魔女が再登場するシーン。 どう考えても、笑いを取りに行ってるのに、客席無反応。 こういう時に、日本人の客の教育をしなくちゃいけないと痛切に感じる。ユーモアが伝わらないのだ。 ただ、芝居を真剣に見ればいいってもんじゃないよな。 でも、誰かが本に書いてたけど「笑いと言うのは、優れた論理性の元に初めて成立する」と。 つまり、日本人の観客にそこまでの論理性がまだ無いという事か…このお笑いブームの最中に、こんなことを言うと水を差すようだが、もう少しみんなシチュエーション・コメディを見ようよ。 一過性の一発ギャグとかばかりじゃなく。 …ま、それも面白いけどさ。 それと、一緒に見ていた相方が「どうしてこの劇団の人は、カーテンコールの時も仮面被ってるみたいなんだろう?」と首を傾げていた。役者そのものが見えて来ないと言う意味らしい。 そりゃそうだろう。それをしないから、この人たちはこの劇団で生きていかれるのだから。 厳しい世界だなぁ。 たくさんの人が心を病んで出てくるのも、理解できる気がする。 え”!正式タイトルは「ウィキッド」なの?だって、英語ではウィケッドって発音するじゃんか~~ チャンチャン♪
by kokimix
| 2008-11-15 18:10
| ミュージカル
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