飛んだ!ひ・こーき!@森田浩貴の思うまま


アッという間に50なっちゃった( "゚ o゚")ドーシヨ
by kokimix
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東京都内で歌い手(専門はミュージカル)を営んでいる50前男です。時々司会・通訳もします(^^)
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息を止める美徳

最近仕事をさせてもらっているブライダルの現場で歌っている曲がある

オリジナルは、美声で高らかな声の持ち主が歌い、歌自体もつとに有名な曲だ

これを、結婚式の一番最後~つまり「新郎新婦の退場」で歌うわけだが

なかなかこの曲がテノールにとっては毎回冷や汗もので

一番最後の長く伸ばす音…本来、僕なんかが一番美味しいと思う(思わなきゃいけない)である

ラストノートに、最近迷いが生じるようになった


これは、この年始に行った録音での反省によるものなのだが

やはり僕の声はかなり大きいらしい

(今頃その話かよと、のたもうことなかれ…これでも、感じることアリ)


最近読んだ「村上春樹と小沢征爾の音楽対論」でも言われていたことで

何をすれば、弦楽が一番上達するかと言えば、小沢せんせー曰く、それは弦楽四重奏なのだそうだ

多分歌も同じなんだろう

つまり混声四重唱を制すれば、かなり上達につながるという理屈だが

いざ自分達の録音を聞いて愕然とする部分が少なくなく

先述のラストノートにおいては、完全に自分は周りより浮いているし、しかも上ずり気味である

確かに、その昔我が師匠に、ぶら下がるよりは上ずる方がましとは言われたけど…

でも、うるさいんじゃ、ボケorz

その後、ベルカント風にせず、ミドルヴォイスなどで試してみたが、肝心のニュアンスが出ない

最終目標は、新郎新婦を「グローリアス」に送り出すことなので、ショボいのは、断じてイカン

そう、グローリアス…

そこで、オリジナルに今一度立ち返ってみたわけで

オリジナルのボッチェッリは、なんの気負いもなく、軽々と上のAの音を出す

なんでこんなに軽々、なんだろう…

…あ!

ブレス!

ボッチェッリは、最後のハイAの前にブレスを取ってない!

我々のパフォーマンスでは、ラストノートに行く前に、ちょっとブレスをいれている

これは、ブレスが短いソプラノのための救済策だったのだが

しかし、これをすることによって、テノールにとってほぼ「トリプルアクセル」である上のAの音は

下手をすると転んでしまう

テノール的には、ブレスを取らない方が、支えを保ったまま上に上がれるので、楽なのだ

ブレスを取ると、一度支えが下がってしまう

また、我々のパフォーマンスでは、最後にいくに従って、どんどんテンポが落ちてしまう

オリジナルは、最後までそれほどリタルダンドはしない

ま、遅くしたくなる曲ではあるんだが…人情です


ふと、先述の小沢せんせーの本にあった、ブラームスのシンフォニーのどこだかに

クラリネットだかフルートだかが、息継ぎが聞こえないようにお互い協力しあって音を出し続ける

というような事が書いてあった

お互いに支えあえばいいのだと思うんだけど、

僕にはこの場をし切るオーソリティ=権威とか権力がない^^;


まあ、これとおなじことは僕にも経験がある

蜘蛛女のキスという芝居のラストで、舞台にいる全員が、主人公の名前を連呼するシーンがある

そこで、演出家は我々に「息継ぎを聞かせないための工夫」というのを伝授してくれたのだった

みな、かわるがわる、違うタイミングでブレスを取り合うのだ

そうすると、はっきりとしたブレスの音は、観客には聞こえない


また確かに、ラストノートの直前にたっぷりブレスするのは、

ある意味効果的だろう(そういう芝居なら)

しかし、最近世界的にそういう手法は、もうやや時代遅れなのかもしれない

ベタすぎるのかもしれない

でも、日本人はベタが好きだからな〜┐(´-`)┌ エヘ

今は世界的に見ても、ブレスが長い人はゴマンといるし…ね

by kokimix | 2012-04-15 12:09 | 音楽
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