飛んだ!ひ・こーき!@森田浩貴の思うまま


アッという間に50なっちゃった( "゚ o゚")ドーシヨ
by kokimix
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東京都内で歌い手(専門はミュージカル)を営んでいる50前男です。時々司会・通訳もします(^^)
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岩谷時子先生

どなたかがレ・ミゼラブルの一節”Drink with me to days gone by”を「過ぎた日に乾杯」と訳したのを聞いて、天才と思ったと仰っていました。本当にこの訳詞を担当した岩谷時子先生は、ただのおばあちゃんではないのです。

過去には、勿論越路吹雪さんの名プロデューサー/作詞家として評価されていますが、他にも加山雄三さんのヒット曲の作詞を手がけるなど、意外な歴史もお持ちです。

僕はレ・ミゼラブル、スクルージ、蜘蛛女のキスの3作品でご一緒させていただきました。中でも蜘蛛女のキスでは大変思い出深いことがありました。稽古が始まる前から、僕の師匠の事務所に師匠北川潤氏、垣ヶ原美枝氏、そして岩谷先生の三人が集まり、日本語詞の最終チェックをしているのを目撃する機会がありました。
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そこで、先生が出してきた蜘蛛女のナンバー「とばりは震え、暖炉の火はシュッ」と言う部分で、一同うなってしまいました。「シュッ」と言うのは擬音として残したのですが、(この歌には沢山Sという音で恐怖をあおる効果がありました)なんと言っても、「とばりは震え」です。「とばり」は日本語のカーテンに当たる言葉ですが、その「とばり」を「夜のとばり」と引っ掛けて「震え」させちゃうあたりは、本当に詩人だと思います。(原詞:And the curtains will shake and the fire will hiss)

僕のソロパート:ガブリエルの手紙の最後で、ガブリエルが手紙を締めくくる言葉としてYour friend, Gabrielと歌って終わるのですが、これをどうしようか結構来日演出サイドと日本側スタッフとでもめました。勿論演出側スタッフは英語でやったらいいと言うし、日本側は「急にそこだけ英語になるのはどうも…」と言うことで、最初「とも、ガブリエル」とするということになりました。

ですが、歌ってみると…なんだか「とも」は「ほも」ととられかねないなぁというのが正直な第一印象でした。。それは日本語のアクセントの問題なのですが、トモ(友)はトが高くて、モが低いのに対し、メロディーは同じ音程が2拍続きます。(すなわち平板アクセント)ホモも一般にはホが高くてモが低いアクセントなのですが、作品のテーマがテーマなもので、もし聴いている人にそういう風にとられると、ガブリエルに「その気が有ったこと」になりはしないかと心配したのです。それではストーリーが変わってしまいます。

何日が過ぎた後に、岩谷先生が少女のような瞳をして、美枝さんと一緒に僕に「おいでおいで」をしています。「なんですか?」と行って見ると、「良いのを見つけたワ」とホクホク顔。

答えは「では」でした。なるほど!直訳でもなく、外れすぎてもいない、たった二文字なのに…う~ん、やっぱり詩人だぁ、と時間させられる出来事でした。




♪こーき

by kokimix | 2005-06-25 11:39 | ミュージカル
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