飛んだ!ひ・こーき!@森田浩貴の思うまま


アッという間に50なっちゃった( "゚ o゚")ドーシヨ
by kokimix
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【あんた、誰?】
東京都内で歌い手(専門はミュージカル)を営んでいる50前男です。時々司会・通訳もします(^^)
11月20日金曜日中目黒楽屋でライブを行います!みなさま良くご存じのスタンダードばかりを集めたプログラムです。バイオリンも共演!美味しいお料理で評判のお店に、ぜひお越し下さい!!
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ハロルド・プリンス氏

二日だけ舞台稽古/プレビューに現れました。

最初会ったときの感想としては…脂ぎった、背の小さいオヤジって感じで(失礼)、でもこの人70歳越えてるんだよね~みたいな、エネルギッシュな方でした。

いらしたときに、皆もうさすがに疲れ果てていたので(日本の商業演劇では考えられない舞台稽古を劇場で1週間行うというスケジュール)、カンパニー内もピリピリしていました。そこへ演出家のご登場となったわけで、よいカンフル剤になりました。

ハロルド・プリンス氏_d0053041_9214059.jpg

一幕最後のGimme loveで、オーロラ(主役の映画女優)が入る大きな鳥籠が出てくるのですが、その鳥籠がとりわけ危険で、一日それ用の稽古を劇場の横のスタジオでやるなど、かなりお金のかかった段取りでした。一歩間違えると大怪我に繋がるようなシーンだったのです。
(って、僕は袖の中で歌ってただけですけど)

そんなでしたから、皆いろいろな面で少し不満がたまっていました。ところが、プリンス氏が来て、その不満の一つひとつに丁寧に答えをくれたのです。特に厳しい時間を過ごしたのでは、と思う人が芝居の中の<体制側>の役者さんにいて(演出サイドから、数限りないダメ出しを受けていたので)、楽屋に帰ってくると椅子を蹴飛ばしたりしていました。この役は、舞台の最後の方まで歌が全く無いのですが、最後にとても難しい歌(7拍子)が出てきます。でも、それだけではなくて、その役者さんは、その役を表現する上でのいろいろな面で悩んでいたのです。(居住まい、仕草等々)そこへプリンス氏が「これはあなたの役です。あなたの思うようにやってください。」という意味のことを言いました。彼はとてもすっきりして(付け加えると、プリンス氏にとてもいい日本語の通訳係が付きました)それから、本番に自信を持って臨めたようです。

いろいろな演出家がいますが、海の向こうから来る演出家の方々は、ほとんど皆ちゃんと役者の言うことを聴いてくれます。日本の演出家が悪いとは言いませんが、昔の演出家には特に権威主義みたいなものがあって、「オレ/あたしがこう言うんだから、やって」という感じにどうしてもなりがちです。役者は勿論演出家を<信じ>なければいけないのですが、生理的に出来ないことなどはよくあることです。(台本次第ですが)最近、日本の演劇界も随分民主的になってきて、言いたいことが言える世の中になって来たかなぁというのが、率直な感想です。



♪こーき

by kokimix | 2005-06-21 09:24 | ミュージカル
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